悪夢(ユメ)と希望(ゆめ)
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ゆらゆら、ゆうらゆら、ゆらゆらり。
天とも地ともつかぬ浮遊感に揺られながら、“それ”は漸く覚醒を迎えた。
根の国へと続く彼岸の彼方へと、
蛇の舌のように無数に咲き乱れる朱色が不吉に美しい河岸に誘われ、堕ちる――…、
悪夢(ユメ)を、見た。
「……ひで、…よし…」
夜闇を遍くやわぐ煌々月、鼻腔を擽る懐かしい春の香は淡くけぶる。
ざわわ、ざわわ、耳元を凪ぐ風すら胸に痞えそうになる。
長らく日の本の大地へ鼓動を委ねる粗末な生命を慈しむかの如く、世界は美しい。
嗚呼、討たれてしまった。
それは、新たな縁の友の手による凶事――…、
裏切り、と言う武人たるべきが唾棄すべき行為に手を染むとも。
己が罪を贖えぬと侘しく嗤いながら、それでも絆を語る夢追いの天下人。
時代は、彼を赦せと喚き立てる。
しかしながら、我が身には一片足りとも残される情も義も、
世界を遍く照らす偉大な太陽を、輝きを、眩しさを、
得難き仇敵として憎悪を濯げば、
戦火と戦禍が廻るだけと、
誰よりも正しく、理解していながら。
苦しくて、苦しくて、苦しくて、
憎くて。
朽ち逝く想い出のぬかるみに足を取られ、ひたすらに立ち竦んだまま。
はらりはらり。
嗚呼、桜色の花弁は幾歳頬を伝い零れ落ちて行くばかりに。
凶王の前に傅く、悪夢(ユメ)を、視た。
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「――…、そうか。お前も三成へ――、いや、そうだな。
…そうだろう。当然だな、儂の罪がお前達を追い詰めた。
自覚はある。望むなら幾らでも詫びよう。しかし、討たれるわけにはいかんのだ」
「………」
ゆらり、と。
東軍を束ねる勇猛果敢なる光の武将の前で、ひとつ、見慣れた友の姿が揺れ、気付けば超刀の切っ先が鼻先を掠めていた。あわや、顔面を真っ二つとされるところを寸で避けると、家康は肝を冷やして口元を引き締め表情を一層苦み奔ったものとした。
「! っと、……、問答無用か。
口もきいてもらえなくなるとはな、三成よりも余程根が深いな。
――…分かっていたが、少し…、いや、感傷はこの場に必要あるまい。
かかってこい、慶次。お前の怒りと悲しみの全てを、儂が全力で受け止めて見せる!」
「………」
両手を大きく広げ、寛容と誠実の証とばかりに胸を晒す権現へ、慶次は荒んだ瞳のまま踏み込んだ。三成の俊敏さに敵うべく無いが、大物を獲物とする割に動きは鋭敏、且つ的確に敵の急所を追う。それは、かつての風来坊『前田慶次』の戦いとは掛け離れていた。
決して”ひと”の命を奪わぬよう刃引きをした朱金に飾る派手な武器を、戦の無常無粋よりも己を見よと謂わんばかりに威勢良く振り回し、桜吹雪に紙吹雪、血飛沫舞う戦場をまるで盛大な祭を渡り歩くように盛大に傾奇者回る稀代の虚(うつけ)よ、いざ罷り通る!
合戦場へ突如飛び込んでは敵味方無く薙ぎ倒す風来坊の姿は、最早、”戦”季節の風物詩。
風雅に傾奇く姿はしかし彼の一面にしか過ぎず。
暴く正体はひどく優しく、強く、悲しく。
この戦国にあって、凡そ人らしく尊い生き方を貫く、至上の友よ。
(……儂のしたことは…、いや、迷うまい)
こうなる事は分かっていた。慶次ならば若しくは――、
許してくれるだろうか。
理解を示してくれるかもしれない。
力を貸してくれたらいい。
己に都合の好い希望(ゆめ)ばかり、惰弱を起こすのは自身の覚悟が甘い証拠だ。
「儂が憎ければ、全力で来い。慶次!!」
「………」
かつての『友』は声も無く、ただ、闇色へ堕ちた狂眸を戦慄かせて、ひとつ、涙を零した。
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無慙無愧が屍(かばね)は無数に戦場へ打ち捨てられ。
大地は血と呪詛に胎から爛れ、赤く赤く、彼岸の華を咲かせて膿み爛れて腐れる。
「………」
天下を浅ましき光で灼き払う傲慢が仰向ける、腹を真二つへ裂かれる無残な死に様よ。
未だ臓腑から泡立ち溢れる温き深緋(こきひ)は黄金の衣を穢し、褐色へと色枯れ逝く。
大の字に投げ出されるは威風堂々たる光の武将の見るも不様な肉塊。
嗚呼、早く――の首級を刈り取り、戦場へと高々掲げねば。
大将討たれし東軍の敗は必定、関ヶ原の勝敗は西軍へと決した。
「………」
ジャリ、と小豆色に薄汚れた足袋で土塊を踏む。
奈落の底を覗くように己が影を穿てば濃い血水が鼻を刺した。
「前田慶次!」
怒気を孕んだ大声に肩越しに暗鬱たる双眸を遣れば、疾風のこなしで駆け付けるは西軍率いる総大将・石田三成。烈震武帝・豊臣秀吉太閤が忘れ形見、凶王の二つ名で敵味方の隔て無く、純然たる畏怖を捧げられる災厄の色を纏う武将だ。
「……みつなり」
寂寞のままに応じれば、既に気配は背後に、灼熱に滾る視線は横死する不遜の輩を捕らえていた。
「…前田…、貴様ッ!
私を差し置いて、秀吉様の仇を討つなど、何たる背信か!!」
「………」
「答えろ! この男は私が討たねば成らぬ怨敵よ!!
それを……っ、よくも――!!」
「…すまない」
晒す首筋へ抜き身の刀身が突き付けられる事態には微塵の動揺も無く、慶次はただ己が憎悪が――を討ち果たした事実のみを言葉で詫びた。
「…フン、そこを退け」
憤怒の表情でいた三成はしかし過ぎた事と盟友の大罪を赦し、天下分け目の合戦場にて数多の命を殺ぐ武将とは、誰人も想像しえぬ派手な歌舞伎姿の背中を粗略(ぞんざい)に押し退けた。
「ふ」
炯々たる紫焔が凶つ炯眼は砕かれし天の黄金へと、一心不乱と注がれる。
「はは、はははは、ははははははは!」
「…… み、」
三成、そう呼び掛ける言葉を慶次は思わず呑み込んだ。
「は、ははははは、あはははははは!!
やった! やったぞ!! 秀吉様!! 遂にっ!!
私が手で討ち果たせぬ事実は口惜しいが、それでも!!!」
両手を天へ掲げ、狂人の如く猛り吼える。
それは人か獣か、それとも幽鬼の類か、血走る眼(まなこ)に歓喜と狂喜、刹那の狂騒に酩酊。
「ははは、はははは、はははははははは!!!
秀吉様、遂に私は義を果たして――…、 」
すとん、と。
空隙と喪失に膝から崩落した。
天意を仰ぐ両腕はダラリと肩からぶらりと下がる。
不出来な絡繰人形の絲が切れる瞬間よ。
自嘲、自虐、そして、
「…憎き、貴方様の仇を――」
一斉に、自壊した。
「……わたし、 は……」
朦朧と呻く三成は、凶刃にて主君の御命を奪い去った大敵の胸倉を掴み、痩躯に過ぎる重みを吊り下げて揺さぶる。
「おい、…立て、家康。
何をしている…、立て。
そして、今度こそ私に殺されろ…っ!」
「……みつ、なり …?」
まるで輩(ともがら)の死を悼むかの慟哭に、激しい違和感を覚えるのは亡き太閤が親しき友垣。
「アンタ…、 家康、と、……」
友達だったのかい?
目を見張る、どうして、友達だったのに。
理由は明白、裏切り、赦されざる背徳の所業。
「……ッ、あ、っ、うわ、あああああああああああああああああ!!!!」
友達だった、そうだ、己自身も、日の本の泰平を心より願う、熱く優しく義侠心溢れる男を、
『慶次。儂は力の支配は好かぬ』
手に掛けた、殺した、息の根を止めた。
『甘いと哄笑(わら)われようとも、儂は絆の力で天下の統一を目指してみせる』
“友”の最期の頬笑みに、どう応えたのだろうか。
『なぁ、慶次。泰平の世はどんなものだろうな。
そうだな、お前の言う“恋”のひとつでもしてみようか』
取り返しがつかない、つくはずも、ない――…!
「…いえやす、立て。
立たねば…、殺す、何度でも、殺す。幾度でも、幾度でも。
私の憎悪は輪廻の果てまで貴様を追い続けるっ…!
怖ろしければ、立て、私と…戦え…」
刀、を。
突き立てる、心臓へ、胎へ、喉へ、幾度も、狂人が咎か、業か――…贖いか。
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「ッ!」
東軍の陣の制圧を概ね完了して、後を三成の片腕である大谷と友軍である真田の一隊に任せ、東の総大将・徳川家康が坐する決戦の場へと急いでいた西海の鬼こと長宗我部元親は、天を裂く慟哭の雄叫びに息を呑み、肩へ担ぎ上げていた碇槍を地面へ叩きつけると、砂埃を蹴り上げながら激しく地を滑走した。
「今のは、慶次の…。クソッ、まさかやられたんじゃねーだろうなッ!」
加賀の風来坊・前田慶次の型破りな荒武芸者ぶりは重々承知していたが、それでも。
「アイツはアイツで、一人で行っちまうし…!
ったく、総大将が単身敵本陣に乗り込んでどーすんだっつの!
ああ、どいつもこいつもっ!!」
かつて日の本を席巻した圧倒的な質量を誇る豊臣秀吉が後継、涅槃の闇と神々しき白銀の月を連想させる一閃が白刃も美しき武将石田三成の安否も共に憂いながら、元親は急ぎ本陣へ駆け付ける。
「慶次! 石田!! 無事かっ!!?」
ダン、と奔る勢いに任せ本陣の高台へ叩きつける重量級の碇槍。
並みの者では持ち上げられもしない怪武器を利き足で荒く蹴り上げ、肩へと担ぎ上げる。
西海の鬼と恐れられる武勇の将は、機敏な動きで周囲の状況を窺った。
東照権現が本陣――しかし東軍が兵は全て地へ伏す物言わぬ屍と化して。
天下分け目の総大将・東軍が照る神たる天下人も雲隠れ、輝きは永遠に喪われた。
戦篝る重苦しさに浸る間も無く、眼前の惨状に西海の鬼武者は血相を変える。
権現たる若者の亡骸の裂かれた胎へ馬乗り、物狂うように刃を振るう西軍の大将。
地面へ深々突き立てた超刀に縋りつきながら、嗚咽を噛み締める亡き覇王が親友。
そのどちらも見過ごせず、逡巡の後、狂相を顕し死者を貶める武将の元へと駆け付けた。
「石田ッ! もう止めときなっ!!」
ぐ、と刹那の殲滅戦を得意とする三成の手折れそうな手首を掴み、元親は行為を押し止めた。
「……ちょう、そか… べ …?」
「ああ、そうだ。俺が分かるな。関ヶ原は粗方(あらかた)西軍が制圧した。
後は大将のアンタが勝ち鬨をあげるだけだ」
此岸と彼岸の波間に呑まれる孤独の魂を強い力で掬い、瀬戸内の鬼は痛ましく吼える凶王を気遣いながら優しく語りかけた。
「……我等の…、勝利、 」
「ああ、…ソイツはもう…、 生きちゃいねぇ」
「………」
カラン、と地面に転がる華奢な刀は、血濡れの刃に重苦しい曇天を映し込んだ。
「わたしは…、 ……秀吉様 ……」
「石田?」
西軍の凶王と志を同じく、可愛い野郎共の仇・裏切りの徳川の血で憎悪を濯ぐべきと、天下分け目の戦へと参入した隻眼の鬼は穿つ口調で総大将の様子を窺う。
「兎に角、立ちな。
勝ち軍の総大将が腑抜けてるんじゃ…、…っと、立てるかい?」
「………」
空虚の形代と成り果てた身体を大きく傾がせる三成を左腕で支え、己が胸へ引き寄せる。
「しょーがねぇな。ほら、掴ってろ」
復讐の轟火果て遂には己が生の意味すら失った脱殻に肩を貸すべく膝を折る、と同時に荒海に鍛えられた豪快な腕を伸ばし、東照権現が死に面へ兜代わりの黄金の頭巾を目隠しとする。其は戦国の清も濁をも併せ呑む瀬戸内が鬼の、かつての友が黄泉への旅路へ手向ける人の情か。
(……家康…。
お前の目指した絆の天下の結果が…これだ。
絆を結んだ人間を裏切って蹴落として、そしてテメェが殺されて終いだ。
なぁ…、満足か…? これが…、テメェが望んだ未来か……?)
戦の世を忌み嫌い、日の本が泰平を望むがあまりに、時代を性急に駆け抜けた友へ葬送る言葉。
そんな感傷へ浸る間も無く、背(せな)から妙に落ち着き払った声が届いた。
「…元親、三成は大丈夫そうかい?」
若干精彩さを欠いてはいるが、心神喪失状態の凶王とは違い、自力で心を持ち直したようだ。
流石戦国の覇者・烈界武帝の旧き友だけはあると感心しながら、問い掛けに神妙に答えた。
「そうだな、まだ呆けちゃいるが…。
なに、少しすりゃ落ち着くだろ。大谷もいるし心配は要らねぇさ」
豊臣が後継者・西軍の総大将が腹心大谷好継。病魔に蝕まれる全身を包帯で覆い尽くす不気味な風体、摩訶不思議の術で坐する御輿ごと中空へ浮き、紡ぐ言の葉は呪詛の如き憎心を孕む怪奇面妖な男ではあるが、殊に三成に対しては驚く程の寛容さと慈愛を無尽蔵に与える人物だ。
「そっか…、良かった」
「オメェの方こそ大丈夫――…?」
振り返る鬼の視界を奪う距離で、桜色の守り袋が振り子のように左右へ揺れた。
鼻先へ突き付けられた可愛らしい小物に意表を突かれ、隻眼を瞬かせて息を呑む西の鬼の素直な反応に、頭上から降り注ぐは嬉しそう(かなしそう)な声と仄かな(いたみの)笑み。
「これ、預かってくれないかい?」
「お? おお、別に構わねーが…、」
瀬戸内の海を席巻する益荒鬼(まさらお)は、桜を模した文様も可愛らしい守り袋を空いた右手で受け取り、左方に抱き込んだ三成の細い肩を具合良く抱え直しながら、鬼の身に不相応な装飾に戸惑いの色も濃く所在無さげに首を傾いだ。
「こいつを俺に預けてどーすんだ、オメェの大切なモンなんだろ。
いっつも首から下げて…後生大事にしてンじゃねーか」
「それさ、秀吉の形見みたいなものなんだわ。
要らないって言うかもしれないけどさ、…三成に渡してくれないか?」
「…別に構わねーが」
亡き太閤秀吉を神の如く崇め続ける凶王が、その形見を粗雑に扱うはずも無く。
「けどよ、お前が自分の手で渡した方が――…、」
易き頼みに緩く頷く西海の鬼は、しかし、と肩越しに背後を振り返りかけ――、
「元親、三成を頼むよ」
ヒュウ、と
無常の旋風が戦跡を吹き抜け、現世が夢は寂滅の彼方へと掻き消された。
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「慶次?」
血風と砂塵舞う東照本陣に、傾奇衣姿の虚者は、もう何処にも見当たらない。
派手な装飾の超刀ひとつ置き土産に。
大地を穿つ刃は数多の命を斬り伏せた証とばかりに、脂と血で鉛(にび)に穢れていた。
「…おい? …おいっ!? 慶次!? 慶次ッ!! 何処だッ!!?」
脳裏を横切る嫌な予感と、背筋を這い上がる薄らい悪寒。
ゾッと肝を冷やした隻眼の鬼は、有らん限りの声を張り上げ友の名を呼び散らした。
「長宗我部殿! 如何なされた!!」
そこへ、漸く戦国最強と畏れられる徳川が最大戦力本田忠勝を抑え、若虎から凛々しくも雄々しい甲斐の虎へと相成った焔の武将が、燃え盛る双槍を握り締め駆け付け参上した。
「真田…ッ! 慶次を探してくれ!!
アイツ、獲物を置いてイキナリ消えやがった!!」
「なんと…っ! 武人が魂を捨て置くなどと…。
一体どうしたのでござるか…っ!?」
敗軍の残党が潜む合戦場にて武装を解くなど、自ら命を儚くする愚かしき行為だ。
「慶次殿ッ! 慶次殿ッ!!?
如何なされたのか、真田源次郎幸村ここに参ってござる!!
どうか、返事をなされよ!!」
「慶次ど――…、 」
日常的に喉を裂く勢いで声を張り上げる幸村の叫びが、不自然に捻じれて――…、
「真田? どうした!!」
自失に陥る三成を気遣う元親は、無理な姿勢で右目を幸村へと向けた。
焔を自在とする甲斐の勇猛なる虎は、陣の端で茫然と足を止め顔色を失くしているようだった。
「お、…い。真田…?」
東の総大将が坐する本陣は、敗走を許さぬ高き崖上に置かれ、背水の陣に退かぬ覚悟を見たり。
「けいじ…、ど、 」
天下分け目の関ヶ原が決戦。
日の本を東西真二つ分かつ合戦は、そう、西軍の勝利を歴史へ刻んだ。
東照権現が首級を高々と掲げ、勝利を雄叫ぶ戦人が熱狂の最中。
夏の名残に狂い咲く歌舞伎桜は、黄泉からの東風(こち)に誘われ、
「けいじどのぉおおおおおおおおおおおお!!!」
千尋の谷底より雅の白風羽根がふわり飛び発ってゆく、
嗚呼、華は千々に舞い戦世から輪廻の彼方へと喪われた。
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虚ろの世にて、所詮、顕世(うつしよ)はひとときのユメ、幽世(かくりよ)に堕ちて尚残光は美しい。
(――嗚呼、キレイだな……)
幾重にも垂れ込む重き雲間から差し込む一筋の光。
乱れし戦世に人の命を慈しみ惜しむ虚が眼(まなこ)が焼き付ける最期の光景は、如何な輝きに満ちていたのか、生き残された武将達には知る術も、ない。
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了